外傷性疾患について

骨折などの外傷性疾患のイメージ画像

外傷とは、何らかの外力が加わることにより、皮膚や皮下組織、内蔵などに損傷が起きている状態を意味しています。具体的には、骨折や脱臼、打撲、捻挫、関節損傷、脊髄損傷、切創、擦過傷、刺創、咬傷などがあります。

日常的な外傷性疾患を診療いたします

当クリニックでは、日常的に起こりやすい外傷の治療を幅広く行っております。階段などから転倒して骨折したり、手足などに刃物が刺さって大量の出血がみられたときなどは、すぐに受診する方が多いと思います。しかし、ちょっとした打撲や出血などの場合、ご自身で処置し、その後は放置される方も少なくないようです。ただし、一見すると問題がないように見える場合でも、思わぬ後遺症が残ることがあります。
その場で、①ガーゼなどで出血部を圧迫する、②痛くて動かせない部位に副え木を当て固する、などの応急処置をしたら速やかに当クリニックを受診なさることをお勧めいたします。

このようなときは当クリニックをご受診ください

  • 外傷(切り傷・擦り傷・咬傷・やけどなど)
  • 異物刺入(トゲや釘が刺さった時など)
  • 捻挫
  • 打撲
  • 骨折
  • 褥瘡
  • ギプス開き
  • 手術後のケア など

骨折

骨折とは、正常な骨の連続性の一部もしくは全部が断たれた状態です。一般的には「骨にヒビが入っている」と言われる状態も、連続した骨の一部に亀裂が生じた状態であり、医学的には骨折(ズレのない骨折)となります。骨が折れると、その周囲に張り巡らされている神経や血管も引っ張られ、骨折の周辺部位に痛みや出血、腫れが起こります。患者様によっては、患部を動かすことができない、外見が変形するといった症状もみられるようになります。このようなときは、骨折の有無や程度を確認するため、X線撮影などを行って診断いたします。

骨折骨癒合促進治療器(RIPUS)

当クリニックでは骨折の治癒を早める超音波治療器(RIPUS)を導入しております。RIPUSは低出力の超音波を患部に当てることにより小梅雨号を促進してくれる作用があり、早期のスポーツ復帰や社会復帰が期待できます。また、骨癒合が通常よりも遷延し骨癒合がなかなか得られ邸内状態(遷延治癒)や、3ヶ月が経過しても骨癒合が得られない状態(偽関節)の場合であってもこのRIPUSを使用することで骨癒合を期待できるケースもあります。
骨癒合を早めたい、骨折治癒が長引いている方に適応があるためお気軽にご相談ください。

捻挫

捻挫は、関節部に不自然な外力がかかることにより、関節を支えている靭帯や関節周りの包む関節砲の一部が伸びたり断裂したりして骨以外の関節周囲の組織がダメージを受けてしまっている状態です。骨折とは異なるのですが、複数の靭帯が完全に断裂してしまい、治療が難しくなるケースもあります。捻挫は全身の様々な関節で起きる可能性があるのですが、とくに多いのが足関節です。サッカーなどのスポーツ競技中に足を捻ったり、階段を踏み外したときなどに足首がグキッとなり、患部が腫れてきます。

捻挫をしたと思ったときは、早急にしっかり患部を冷やす、固定することが大切です。腫れは冷やすことで、ダメージを受けた靭帯や関節包は固定することで治癒しやすくなります。放置していると靭帯が伸びたままの状態になりやすく、いったん痛みが治まったとしても、そのあとで捻挫が再発しやすい体質となります。そこそこの歩けるから、と放置していると足関節が硬くなるため階段がうまく降りることができない、など関節の硬さ(拘縮)による後遺症が残る場合も多くあります。当クリニックでは腫れが引いた適切な時期にリハビリを行います。「捻挫を放置していても大丈夫」などと自己判断したりせず、きちんと医療機関を受診するようにしましょう。

脱臼

脱臼は、関節が外れている状態です。この場合、関節面の位置関係に異常が現れるようになります。主な原因は、関節部への強い外力です。様々な関節で起こりますが、とくに多いのが肩関節の脱臼です。柔道やラグビーなどのコンタクトスポーツで肩を強打するケースが典型例ですが、歩行中につまずいて手を付いただけでも脱臼することがあります。
肩関節や肘関節脱臼はすぐに制服操作を行い脱臼を戻します。麻酔が必要な場合もあります。
若者では、肩関節がいったん脱臼すると、その後に何度も脱臼を繰り返す反復性肩関節脱臼に移行しやすくなります。この場合、関節を包む関節包の一部(関節唇)が破綻し緩んでいますのでMRIで関節唇の損傷の有無を確認し関節唇を縫合する内視鏡手術が必要になります。中高年者では肩関節脱臼後は若者とは逆に関節が硬くなる関節拘縮、が生じ易くなるためにリハビリが必要となります。

切創

切創は、ナイフやガラス片など鋭利な物で皮膚がスパッと切れてしまった状態です。傷口が鋭く切断されており、周辺組織につぶれがみられないのが特徴です。傷口の深さなどにもよりますが、神経や血管などの損傷を伴いやすいので、出血するだけでなく、患部に痛みが出るようになります。ある程度の深さまで皮膚が切れているときは、患部を縫合する必要があります。出血がたまらない場合にはガーゼやタオルなどを当てて圧迫し、患部を心臓より高い位置にして出血を押さえた状態で来院してください。傷口に菌が入ってしまうと感染症を発症させてしまうので、抗生剤なども投与します。